鼻血の話


Q.先週の続きですが、補聴器について少しコメントを下さいますか。
A.補聴器は、『年寄りくさい』、『格好が悪い』、『面倒くさい』などと敬遠されがちですし、『音が響く』、『雑音が入る』などいろんな事が言われますが、ちゃんとした方法で、その方にピッタリと合わせますとずいぶん便利なものです。その辺にある既製の補聴器に耳を合わせるのではなく、ご自身の耳に補聴器を合わせてもらわないといけません。自分の耳に合った補聴器を手に入れるには、まず耳鼻咽喉科の専門医にご相談ください。補聴器が必要な場合には、適切に指導して下さいますので。

Q.私の友人に補聴器を愛用している者が居るのですけども、その補聴器の難点は、聞きたい声以外の音や声も全部大きくなって聞き分けにくいと言うのですが、補聴器はそんなものなんでしょうか?
A.はい、やはり補聴器も道具ですから、トレーニングして慣れてもらう事も大切なんですよ。

Q.ところで、来月8月7日は鼻の日と言うことですし、鼻の話も何かお願いします。
A.短い時間では色々とはお話出来ないと思いますので、皆さんが普段当たり前と思っていた耳鼻科の知識で間違いやすい事について少しお話ししてみましょうか? 鋭ちゃんは鼻血を出した事は有りませんか?

鋭:あります、あります。
Dr.:ではその時には、どんなふうにして止めはりましたか?
鋭:鼻にティッシュペーパーを突っ込んで、首の後ろを叩いて、上を向いていたら止まりました。
Dr.:一部は良いのですが、大部分は間違いですわ。そう思っている方が多いんです。では正しい止血方法についてお教え致しましょう。では鼻血が出たときにはどうするかと申しますと・・・
まずは、慌てない事。カ〜ッとすると、血圧が上がって余計に出ますのでね・・・。 鼻血の90%位は、鼻中隔(鼻の真ん中を左右に仕切る壁)の前の方からの出血です。よほどのことがない限り、ここからの出血は止まりやすいので、慌てないことです。 脱脂綿かガーゼ、無ければティッシュでもかまいません。鼻の穴より大きめに丸めて下さい。丸くではなく葉巻タバコの形が宜しいです。大体その人の人差し指くらいの太さが宜しいでしょうかね。それを、出ている側にギュッとつめて下さい。更に鼻をつまむか、鼻を指で押さえて下さい。鼻をつまむと言っても、上の方では駄目です。鼻翼(所謂小鼻の部分)をつままないと意味がありませんので。そのままで数分待てば大抵は止まります。

Q:止まるまで寝ころんでいれば宜しいのですなあ。
A:それがまちがいですねん。椅子にすわって、少し下向きになっていると言うのが正しい姿勢なんです。頭を心臓より高い位置にした方が血は止まりやすい。指を切って血が出ている時に、指を下の方に持って行きませんでしょ。血が出ている部分は出来るだけ高い位置にした方が、止まりやすいと言う理屈ですねえ。あと、指を切った場合なら、心臓に近い方を縛って止血しますが、鼻血の時には首を縛る訳にはいきませんので、局所を圧迫して血を止める訳ですね。

Q:椅子にすわって下を向くと言われましたが、上を向くのと違いますのん?
A:それもよく間違われますね。『鼻血が出たら上を向いて首の後ろを叩く』、これは間違いですねえ。 上を向くと、血液が鼻の後ろに流れて、血が止まりにくくなりますし、のどに入った血液をそのまま飲み込んでしまって、気分が悪くなったり、嘔吐した時に真っ黒な液が出てきて又又びっくりします!と言うことで、鼻血の時の姿勢は『座って、少しうつむき』と覚えておいて下さいね!!それでも止まらなければ耳鼻科へ急行!(時間外なら急病センターに行きましょう。) もし繰り返すようなら、一度耳鼻咽喉科で調べてもらった方がよろしいでしょうね。