中耳炎について


Q1.夜中に耳が痛くなると言った事は、子供の場合に良くありますが、これは中耳炎と考えて宜しいでしょうか?
A1.そうですね、『耳が痛い=中耳炎』と直ぐに考えがちですが、耳の痛みの原因は他にもありますね。外耳炎、耳せつ(耳のオデキ)なども痛みが強いですし、耳以外が原因となっている事もありますね。例えば扁桃炎など喉の強い炎症の痛みが耳に響く(放散痛)事もあります。今日は中耳炎についてお話しましょうか。

Q2.耳の痛みのほかにはどう言った症状がでるのでしょう?
A2.一番よく認められるのが、耳の痛みですけど、実はこれはもうかなり悪くなった状態なのですよ。更に悪化すると、耳から膿が出る場合も有ります。これが『みみだれ』と言われるもので、鼓膜が破れてしまって中耳の液体(膿)が外耳道から出てきたものなのです。こうなると却って痛みが無くなるのが普通ですが、痛みが無くなったからといっても治った訳では有りませんので、注意が必要ですね。初期の症状としては、『きこえが悪い』・『耳がつまった感じ』・『耳の違和感』・『耳の中で音がする』等があります。しかし、小さなお子さん特に赤ちゃんではこういう症状を訴える事は出来ませんね。赤ちゃんが耳をよく触っているとか、機嫌が悪い・夜泣きをするといった状況を見れば『中耳炎』かな?と疑ってほしいですね。また風邪の後に中々熱が下がらないと言うのも要注意ですね。

Q3.中耳炎の原因は、お風呂やプールで耳に水が入って・・・と言う事なのでしょうか?
A3.そう考えておられる方がまだまだ多いことに驚いております。 実は、耳に水が入って中耳炎になると言うのは、『極めて稀』あるいは、『ない』と思って下さい。耳の構造を簡単に言いますと、外耳道があってその突き当りが鼓膜なんです。この外耳道と鼓膜の外側の表面は普通の皮膚と同じ物で出来ているのです。傷の付いていない皮膚に汚い物が付いても普通は感染しませんよね。だから鼓膜に穴があいていたり、傷が有れば耳から水が入って中耳炎を起こすことも有るでしょうが、健康な耳の場合そんな事は起こらないのです。

Q4.それではどこから中耳炎になるのでしょうか?
A4.鼓膜の奥に小さい部屋(鼓室)があり、鼓膜とこの鼓室を含めて中耳と呼びます。中耳には鼻の奥と繋がる『トンネル』があり、これを耳管と言います。中耳炎の原因となる『ばい菌』はこの耳管から入って来るのですよ!本来このトンネルは、耳から鼻に向かっての一方通行なのですが、子供の場合トンネルの働きが未熟なため、ばい菌が鼻から耳へと逆向きに入り込み、感染を起こしてしまうのです。従って、風邪を引いた時や普段から鼻がよく出ている子供さんは『中耳炎の危険がいっぱい!』という事なんですよね。

Q5.治療について教えてください。
A5.大きく分けて、全身療法と局所療法があります。全身療法としては、体の安静、抗生剤、消炎剤、解熱鎮痛剤等の投薬があります。中耳炎の最中の、激しい運動や、プールなどはもっての外です。また出された薬は勝手な判断で止めないで下さい。局所療法には、抗生剤やステロイド剤の点耳薬の他、症例によっては、鼓膜切開をする事もありますね。更に原因が鼻の奥に関係していますので耳以外にも鼻や咽頭の局所療法が 非常に重要なのです。中耳炎の経過はおおむね1〜2週間と言うのが一般的ですが、大事なことは耳の痛みが無くなったからと言っても治ったとは言えないこともあると言うことです。必ず専門医に確認してもらうことが必要です。中途半端に治療を中断すると、あとで滲出性中耳炎等の難治性の中耳炎になってしまうこともあるのです。滲出性中耳炎については次回にお話致します。最近は中耳炎の起炎菌が抗生物質に対して抵抗力を持っている事も稀ではなく、治療に苦労す事があります。何れにしても、中耳炎は放って置いて勝手に治るとは考えないでほしいのです。必ず専門医の診察を受けるようにして、できるだけ後遺症を残さないようにすることが大切ですし、これはご両親の責任でもあります。さてそうは言いましても、夜間急に耳が痛い等の急性中耳炎を疑う症状が出てきた場合、さあどうしましょう??  近くの耳鼻科の診療時間は終わっているし・・・取り敢えずの一時しのぎとしては、下熱鎮痛剤を使うことで何とかなると思いますし、耳の周辺を冷やしてあげることも良いことだと思います。大阪では平日夜間の耳鼻科救急が昨年から始まっておりますので、一時しのぎが出来ないような場合にはご利用下されば結構かと思います。場所は大阪市西区の中央急病診療所です。今までは、日曜、祝日の昼、土曜日は昼と準夜(夜の9時半まで)は行っていましたが、昨年の10月より平日の午後の10時から深夜12時30分まで受け付けを行っております。詳しくは、大阪府医師会もしくは中央急病診療所にお問い合わせ下さい。